日ごとに寒さが増し、冬本番を迎えるこの季節。
北東アジアにある街、私の故郷である「長春(ちょうしゅん)」をご紹介します。
長春は、かつての満州国(1932〜1945年)の首都「新京」として栄えた街であり、当時の名残を感じさせる建物が今も数多く残されています。それらの建築物は現在も大切に使われ、人々の生活の中で息づいています。
そのため、私は来日後に昭和時代の建物を目にするたび、不思議と心が落ち着き、親しみを感じます。

人口は約900万人。漢族、満族、朝鮮族、モンゴル族、回族など、多様な民族が共に暮らしています。市の面積は約20,000平方キロメートルで、日本の四国よりやや広い面積です。
長春は四季の変化がはっきりしており、「北国春城(ほっこくしゅんじょう)」という美しい異名を持っています。
“北国の春の城”を意味するこの言葉は、厳しい寒さの中にも豊かな自然の息吹を感じさせます。
緯度は日本の旭川とほぼ同じですが、年間の気温差が大きいのが特徴です。夏は東京と変わらないほどの暑さになりますが、冬には気温が-20℃を下回る日も珍しくはありません。

北国ならではの雪景色も、長春の魅力のひとつです。
なかでも「樹氷」は圧巻です。樹氷とは、空気中の水蒸気が氷点下の枝に触れて凍りつくことで生まれる“氷の花”です。
夜明け前の静けさの中、白く凍った木々が並ぶ姿は幻想的で、太陽の光を受けて銀色にきらきら輝くその光景は、まるでファンタジーの世界。儚くも美しい“氷の花”を眺めていると、厳しい寒さの中にも北国の優しさとぬくもりを感じ、心が静かに癒されます。
馬 冬生
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