2026年 年末にかけての相場の見通し(2026.7.1)

2026年07月09日

年初に掲載した2026年末の目標数値を以下の通り変更します。

(年初の見通し:https://pmam.co.jp/assets/2026/01/V5_20251230_ainori_monthly.pdf

・S&P500(米国): 7,950p (2025年末終値比 +16%)

・日経平均(日本): 73,000円 (同+45%)

※ただし、両指数とも、残り半年間で上下±10%前後の変動を想定。

 

今回変更した主な理由は、以下の通りです。

■ 米国株【S&P500:7,950p (2025年末終値比 +16%)】について

年初に掲げた見通しから変化があった主な材料としては、地政学リスク(米・イスラエル対イラン戦争)とAI開発関連投資が想定以上に巨額になったことです。

① 地政学リスク(対イラン戦争)

2月末に勃発した対イラン戦争は、いまだ最終の合意にはいたっていないものの、戦争開始直後のような不透明感はなくなり、協議期間に120ドル近くまで上昇した原油価格も、現在は60ドル台まで下落しています。すでに米ガソリン価格にも反映されてきましたが、この流れが続けば今後のインフレ期待は下がるものと考えます。

② 旺盛なAI開発関連設備投資と企業利益上方修正

現在データセンターをはじめ、AI開発関連設備投資が米国GDP経済成長の大きな部分を占めるまで急拡大しております。このAIブームはその周辺産業にも波及し、米企業利益は全体で上方修正されています。現状S&P500の予想EPS(1株当たり利益)が2026年末で340ドル(前年比+24%)、2027年末は397ドル(同+17%)となっており、今回修正した目標値は、「2027年のEPS 397ドル」に「5年平均PER(20倍)」を単純掛け算したものです。

■ 日本株【日経平均(日本): 73,000円 (同+45%)】について

日本株については、政権と政策が大きく変わったことと、米国のAIブームと株高の恩恵を受けるという見通しから、さらに上方へ修正しました。

① 積極財政路線

日本では、年初に確定していなかった解散総選挙が2月に行われました。その後誕生した高市政権による「責任ある積極財政」路線に加え、最近では17の戦略分野の具体的な議論が進められており、株式市場にとってはポジティブ材料となりました。

② EPSの上昇

年初の日経平均の予想EPS(1株当たり利益)が2,650円であったのに対し、直近では3,780円へ43%上昇しました。現在の株価は7万円前後(年初来+38%上昇)で推移していますが、PERは年初より割安(18倍台)となっており、過剰な割高感はありません。

なお、冒頭で述べました日米株の2026年末時点の予想ですが、今年の後半は、以下のイベントや材料もあり、年初掲載時と同様、調整局面も見込んでいます。

・大型IPOやそのロックアップの解除などによる株式需給のアンバランス化

・中東での停戦協議決裂による原油高再燃

・急増中の信用証拠金残高の巻き戻し売り

・新FRB議長のスタンス浸透過程での不安定化

・クレジットスプレッド拡大によるプライベート・クレジット懸念の波及拡大 など。

宇野隆一郎
執筆者
宇野隆一郎
株式会社パリミキアセットマネジメント
チーフインベストメントオフィサー
1988年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、主に国際部門を中心に国内及び証券部門にて従事。1998年には当時のスイス富士銀行(スイス・チューリッヒ)に駐在し、プライベートバンキングや運用の奥深さを体現し、以来マーケットの魅力に取りつかれました。2004年にドイツ銀行のプライベートバンキング部門に転職。その後独立し、ファミリーオフィスの運用を担当。1か月の内、約半分近くを海外に出張し、年間約100以上の世界中のファンドマネージャーとミーティングを行っていました。その時に、多根さんと出会いました。2009年にシンガポールに拠点を移し、ファンドに限らずあらゆる金融商品の運用を行い、2017年に帰国後も個人投資家として相場・トレードの研究に勤しんでまいりました。相場で大切なことは大局観であり、ファンダメンタル同様、時間と価格の分析も行いながら大局観を把握し、それに見合った旬なファンドを常にアップデートしていきたいと考えております。

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