2024 年相場の見通し

2024年01月05日

年初にあたって、1年の予想はあまり意味のないものと考えている方ですが、敢えて今の段階における今後1年を予想してみます。

尚、以下の相場観・予測はあくまでも現状のメインとなるシナリオであって、今後発生する事象等により随時変更されること、従って今後のファンドの売買を規制するものではないことをご認識ください。

 

結論からいいますと、米株(S&P500)は上下に大きく振りながら5,530(昨年末対比+15%)への上昇、日本株については、日経平均で少なくとも39,580円(同+18%)以上の上昇をみています。日本株の上昇は米株が大きく下落することがないことが前提になりますが、いずれにしても、日米株は非常に強いのではないかと考えています。

根拠としては、次の通りです。

現状の米国経済は、懸念点を挙げれば細かい点はいくつもありますが、大事な雇用は現状、失業率が歴史的に低い水準にあり、ほぼ完全雇用の状態になっています。インフレも落ち着きを見せ始めており、今後、原油価格などでインフレは上下があるものの、長期的なトレンドはAI技術の普及や人口構造などから下方向とみています。

米企業業績はアナリストの利益予想ではボトムアップ方式により、今年はEPSで+12%の上昇を見込まれています。多少の景気減速があっても、米政策金利は5.25%と高く、利下げ余地が十分ある点と、QT(量的引き締め)が継続中という牽制があります。(但しあくまでも牽制であって、もしマーケットが想定している6回以上の利下げがあった場合は不況ということになりますのでその場合、株式は大きく売られるでしょう。インフレ率が下がる分として3回程度の利下げが望ましいと考えます。)

このようなファンダメンタルを元に、現状の株式マーケットは昨年の上昇により少し割高感はあるものの、バブルの様相は呈しておらず、多くのストラテジスト・アナリストは昨年大幅上昇(S&P500で+24%)していることからか今年は僅かの上昇か下落とみている向きが多いです。そのせいか、現状MMFへ約6兆ドルの待機資金があります(どれ位大きいかというと日本の株式時価総額が現状6兆ドルですので同水準になります)。これは、下がったら買いたい(逆に上がったら買いにいけない)主体が多いことを物語っています。

と、ここまでは通常の見方で、これだけですと割高な米株式市場を勘案し1桁程度の伸びと予測するのですが、今年の特殊要因としては、まず1つは、大統領選挙をはじめ、各国で重要な選挙が控えていることがあります。但しこれに関しては、いくら予想しても当たる確率は低いので、いずれにせよ、(例えばもしトランプが再選された場合、EVなど一部セクターに影響がでることあったとしても)米経済全体に悪影響を与える大統領が選ばれる確率は非常に低いと思います。従いまして、ニュースによりマーケットが過剰にネガティブに反応することはあるかもしれませんが、多くの場合、下がったら買いと考えています。

 

 

2つ目の強気要因は、AIです。私はAIが18世紀半ばの産業革命、1990年代半ば以降のインターネット革命に次ぐ技術革命になる可能性が高いと思っています。実際は、世の中に認識され始めたばかりで、活用出来ているのは一部の企業だけかもしれないですが、これも時間の問題です。1995年から2000年にかけて米国にてインターネットブームが起きましたが、その頃は日本でもインターネットは今ほど必要不可欠になっていませんでしたが、少なくともここ20年で大きな生産性の向上をもたらしました。AIについても同じような現象が目に見えるようになれば、株式市場はPERの向上により、大幅な上昇につながると思います。

このような理由から現状米国株式が割高に評価されるとしても、更なる伸びが起こりえると考えます。

 

日本株については、何らかの要因で米国株の暴落がない限り、大きく上昇する年になると思います。なにせ30年以上続いたデフレを脱却しようとしていることが大きいです。昨年はデフレ脱却元年、今年は身をもってインフレ社会への転換を企業経営者が肌で感じ覚悟すれば賃金も上昇してくると思われます。

デフレ時代は、株は上がれば売って現金にすることに合理性がありましたが、インフレ時代は下がったら買えば報われる世界になります。

日本株は、チャート上40,000円の大きな節目ではしつこく売られる可能性があるので今年はチャート上の計算値39,580円(もしかしたら今年6月までに実現する可能性もあります)としましたが、40,000円を大きく上回る時期は遠くない(1~2年程度)でしょう。

このような理由から今年は日米株式が世界から注目され、上昇していく可能性は高いと考えています。

 

宇野隆一郎
執筆者
宇野隆一郎
株式会社パリミキアセットマネジメント
ファンドマネージャー
1988年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、主に国際部門を中心に国内及び証券部門にて従事。1998年には当時のスイス富士銀行(スイス・チューリッヒ)に駐在し、プライベートバンキングや運用の奥深さを体現し、以来マーケットの魅力に取りつかれました。2004年にドイツ銀行のプライベートバンキング部門に転職。その後独立し、ファミリーオフィスの運用を担当。1か月の内、約半分近くを海外に出張し、年間約100以上の世界中のファンドマネージャーとミーティングを行っていました。その時に、多根さんと出会いました。2009年にシンガポールに拠点を移し、ファンドに限らずあらゆる金融商品の運用を行い、2017年に帰国後も個人投資家として相場・トレードの研究に勤しんでまいりました。相場で大切なことは大局観であり、ファンダメンタル同様、時間と価格の分析も行いながら大局観を把握し、それに見合った旬なファンドを常にアップデートしていきたいと考えております。

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