2026年 年末にかけての相場の見通し(2026.10.1)

2026年10月09日

2026年末の目標数値を前回の見通し(7月発行)で掲載した通り継続します。

年初の見通しはホームページに掲載されている2026年1月発行の月次レポートをご覧ください。

 

・S&P500(米国): 7,950p (2025年末終値比 +16%)

・日経平均(日本): 73,000円 (同+45%)

※ただし、両指数とも、残り3か月で最大上下±10%前後の変動を想定。

 

7月時点から金融市場が変化していますが、前回と同じ目標数値を維持します。理由は以下の通りです。

■ 米国株【S&P500:7,950p (2025年末終値比 +16%)】について

現在のマーケット

中東情勢の悪化による原油高とインフレ懸念、米財政悪化への懸念、米企業の旺盛な資金調達需要などを背景に、米長期金利(10年国債利回り)は2007年以来の5.3%台まで上昇しています。FRBも9月に利上げに踏み切りました。
一方、株式市場はAI関連設備投資を中心とした米企業の歴史的な好業績に支えられ、底堅く推移しています。
ただし、上昇を牽引しているのは一部の大型ハイテク銘柄で、それ以外の大多数の銘柄は下落基調にあります(9月はS&P500の業種別で情報技術のみが上昇)。

 

長期金利が急上昇する中、株価の妥当性

現在の株価は割高で、今後大きく下落すると予想する市場参加者が少なくありません。主な理由は次の2点です。

① 米長期金利5.3%は、リーマン・ショック前の高値に並ぶ水準であること。
② S&P500の益利回りは5.2%(1年先予想PER19.2倍の逆数)で、米国債利回りとほぼ同じ水準にあること。これは歴史的にみて特殊な状況です。株式の価格変動リスクを考えれば、安全な米国債へ資金がシフトするのが妥当だ、という見方です。

 

ただし、これらはいずれも、足元の高いEPS(1株当たり利益)成長を考慮していません。株価収益率(PER)を、金利と利益成長の関係から理論的に表す式は以下の通りです。

PER = 1 ÷(10年金利 + 株式リスクプレミアム(ERP※) - EPS成長率)

※ERP:株式に投資する際、国債利回りに上乗せして求められる期待リターン

 

現状のPER 19.2倍から逆算すると、市場が織り込んでいる長期のEPS成長率は年4%程度にすぎません(10年金利5.3%、ERP4%の場合)。

一方、アナリスト予想を個別企業ごとに積み上げると、2030年までのEPS成長率は平均で年9%近くになります。仮に2030年までは年9%、その後は年4%で成長すると想定すると、理論PERは約22倍となり、現状の19.2倍を約15%上回ります。これを1年先予想EPS(約400ドル)に当てはめると、理論的な株価水準は約8,900ポイントとなり、現在の株価(7,652ポイント)を15%程度上回ります。

年末目標の7,950ポイントは、2027年予想EPSに過去5年平均のPER(20倍)を当てはめた保守的な数値です。理論値との差は、中長期的な上値余地と考えています。

つまり、長期金利が5%を超えていることそのものが問題ではなく、重要なのは金利上昇を上回るペースで企業利益が成長できるかどうかです。現在の業績見通しが維持される限り、金利が高い水準にあっても、株価には割安感が残っていると判断できます。

 

リスク要因

当面の懸念材料としては、①11月の米中間選挙、②中東情勢をはじめとする地政学リスク、③金利のさらなる上昇による経済・市場への影響、④IPO市場の停滞や資金調達難によるAI設備投資の遅れ、などが想定されます。

 

まとめ

これらのリスク要因はありますが、上記で示した株価の妥当性と、好調な米企業業績が続く限り、需給要因などによる下落があっても一時的なものと考えます。

来年にかけて上昇するというシナリオに変更はありません。

 

■ 日本株【日経平均(日本): 73,000円 (同+45%)】について

日本株に関しましては、前回同様、米国のAIブームと株高の恩恵を受けるという見通しから、来年以降も底堅く推移していくと考えています。

宇野隆一郎
執筆者
宇野隆一郎
株式会社パリミキアセットマネジメント
チーフインベストメントオフィサー
1988年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、主に国際部門を中心に国内及び証券部門にて従事。1998年には当時のスイス富士銀行(スイス・チューリッヒ)に駐在し、プライベートバンキングや運用の奥深さを体現し、以来マーケットの魅力に取りつかれました。2004年にドイツ銀行のプライベートバンキング部門に転職。その後独立し、ファミリーオフィスの運用を担当。1か月の内、約半分近くを海外に出張し、年間約100以上の世界中のファンドマネージャーとミーティングを行っていました。その時に、多根さんと出会いました。2009年にシンガポールに拠点を移し、ファンドに限らずあらゆる金融商品の運用を行い、2017年に帰国後も個人投資家として相場・トレードの研究に勤しんでまいりました。相場で大切なことは大局観であり、ファンダメンタル同様、時間と価格の分析も行いながら大局観を把握し、それに見合った旬なファンドを常にアップデートしていきたいと考えております。

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