日本で何が起ころうとしているか

2024年04月09日

能登の大地震と、航空機事故でスタートした2024年。未だに日本のトップニュースは連日自民党の裏金問題ばかり。日本の将来について心配だなと思っている方も多いでしょう。

一方で、日本の新幹線や主要な駅では海外の観光客が大きな旅行鞄を引きずって歩いている風景がすっかり普通になってきました。ホテルの料金もうなぎ上り。大手企業を筆頭に、ベースアップが軒並み満額以上になった春闘、5.66%と33年ぶりの5%超えとなりました。そうそう、マイナス金利政策も解除となりましたね。一時は世界から大きく遅れた日本の半導体産業も復活に向け着実に歩みを進めていますし、日本に日参する海外投資家も増えてきました。将来についてまだまだ心配だけど、今までと随分様子が変わって来たのではと感じる人も随分と増えて来たのでは無いかと思います。実際、今の日本に何が起こっているのでしょうか?そして、これからどうなっていくのでしょうか。

 

そもそも失われた30年の最大の原因は「信用収縮」だといえます。経済成長には本来「信用創造」が最大のけん引役になるのですが、これは世の中の借金が増えていくことで起こります。しかし、バブル崩壊で、企業も個人も持っている資産価値が激減。しかし、借金は減っていないので、利益が出ると、せっせと借金返済に回してきました。つまり、日本全体で借金が減り、大きな信用収縮が起こり、経済も収縮しました。このため政府の税収は減少する一方で、経済の収縮を補うため、財政出動は増えていきます。それで政府の借金が膨らんでいったのですが、1997年、橋本政権の時に、財政健全化に舵をとり、消費税アップと財政支出の削減を行ってしまいました。このため、日本はデフレスパイラルに陥ってしまい、長期に低迷が続くことになります。

 

近年、この「信用収縮」からようやく「信用創造」へと大きく変化が生まれています。つまり、民間の借金が増えつつあるのです。この変化を生んだのが「円高→円安」「デフレ→インフレ」「人余り→人不足」という、失われた30年とは180度違う環境です。当然ですが、円安になると、海外からの受注が増えます。私はよくゴルフに例えていうのですが、今の日本企業はシングルプレーヤ―でありながら、ハンディキャップを36もらっているような状態ですから、競争力はかなりあるのです。また、インフレはそもそも需要が供給より多くなるので、インフレになるのです。ですから今は企業は生産量を増やせばどんどん売上を上げることが出来る時代です。さらにインパクトが大きいのが空前の人手不足です。採用が出来ない分、設備投資をすすめてより少ない人数でオペレーションできる体制にする必要性に迫られています。そうでないと営業自体が継続できないのです。ですので企業は借り入れをしてでも、積極的に設備投資をするのです。

政府にとっても、インフレで税収が増えると同時に借入はインフレで目減りしていく一方で、支払金利は急激には上昇しないので、次第に借金は減っていくことになります。

 

おそらくあと5年、2029年になると誰の目にもニッポン復活が明らかになっているでしょう。むしろ、今回はかつての経済大国ニッポンに「復活」するというよりも、日本の文化や価値観など精神的な分野で、世界をより良くする方向でリードする存在になれそうです。

われわれニッポン人も、ニッポンの本当の良さをしっかり勉強して、世界に貢献していきたいですね。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキアセットマネジメント
代表取締役社長 運用統括責任者
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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