「ジャパン イズ バック」~ニッポンの黄金時代を活かすために

2023年12月11日

10月に拙著「ジャパン イズ バック」を出版させていただきました。本当にこれからのニッポンは驚くほど面白く、大いにチャンスに満ちているのです。特にこれからの約20年強は、まさに黄金時代。この時代に生きている我々は本当にラッキーだと思います。ただし、この最大のチャンスは、黙って何もしないでいると充分活かすことが出来ません。ではどうすればいいのか?今回はこの点についてお話ししたいと思います。

 

それでは、まず過去の「失われた30年」から検証していきましょう。この時代の特徴として、「円高」「デフレ」「人余り」があります。しかも、この時代はグローバリゼーションとインターネットが大きく進展した時代で、人、モノ、お金、情報が自由に行き来していました。この時代に成功したビジネスモデルは、中国などの発展途上国で安く作らせ、それを当時不景気で価格志向の強かった先進国で安く販売するモデルです。ユニクロ、ニトリ、ザラなどの製造小売業(SPA)、それにアマゾンなどのインターネットショッピングなどがその代表でしょう。つまりこの時代の勝ちパターンは「海外(発展途上国)で安く作ったモノを、国内(先進国)で安く売る」ことといえます。

 

実は現在、日本が勢いを失って行ったこの時代と真逆の環境にあります。それは「円安」「インフレ」「人不足」です。しかも、米中新冷戦を軸に対立が深まり、人、モノ、お金、情報が自由に行き来できない時代になってきました。しかも、旧発展途上国でも豊かな人々が激増してきました。このように、「失われた30年」とは真逆の環境ですから、勝ちパターンもまったく逆であると仮定すると理解しやすいでしょう。つまり「海外で安く作ったモノを、国内で安く売る」の逆をすればいいのです。それは「国内(ニッポン)で高く作ったモノを、海外で高く売る」のです。

 

この際、単なる「モノ」というよりは、文化や、価値観など、付加価値の高いサービスを含めてもいいでしょう。例えばニッポンの「食」。そのバリエーションと質の高さは間違いなく世界一でしょう。あるいはマンガでも、古今東西恐ろしい数のマンガがつくられてきており、コンテンツの豊富さはハリウッドを遥かに凌駕しています。その他陶器や着物の世界等々、挙げればきりがありません。こういった「ソフトパワー」をブランド化し、豊かになった世界の人に、高く提供するのです。

 

幸い、世界を見渡すと、今の20代、30代、40代は、ニッポンのマンガ世代で、ニッポンのよき理解者であります。これが、今後、時間が経過すると、今の40代が、50代そして60代になっていき、ほぼすべての世代に広がっていきます。そんな彼らの多くが、円安のニッポンに大挙して訪れ、ニッポンのホンモノに触れ、さらにニッポンのファンになってくれています。

 

いかがでしょうか。新しい時代の勝ちパターンが見えてきましたか?キーワードは「ニッポンを世界で高く売る」です。何もしなくて良かったデフレ時代に慣れ切った身にはちょっとハードルが高いかもしれませんが、一生一回、人生最大のチャンスが訪れていると思ってチャレンジしていただきたいですね。自分が直接出来ない場合は、そんな企業を見つけ出して投資するのもいいでしょう。いずれにしても、是非この絶好の機会を活かしていただければと思います。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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