いよいよ来年一月から新NISAがはじまります。今回の新NISAでは期限が無期限になり、さらに合計の投資金額もかなり拡充されましたので、是非ご利用いただきたいですね。パリミキアセットマネジメントとしても、皆様に新年から新NISAをご利用いただけるよう現在準備を進めております。ご利用の準備が整い次第ご連絡させていただきますのでもうしばらくお待ちください。コドモファンド、浪花おふくろファンドについては「成長投資枠」を使って年間最大240万円までご投資いただけます。また、「積立」につきましても「成長投資枠」をご利用いただけますので、引き続き積立もご継続いただければと思っております。
このように新NISAはかなりの優遇税制であるということです。そこで個人的に疑問に思ったことがあります。それは「財務省がこの制度改革をよく承認したな?」ということです。
ご存じの通り、財務省の財政健全化に対する執念は異常に強いのです。例えばデフレ不況に落ち込み始めた1997年の橋本政権時代、あろうことかそんな時に消費税を5%にアップさせ、その後日本がデフレスパイラルに落ち込む元凶をつくってしまっています。また、長期政権だった第二次安倍政権の必死の抵抗にもかかわらず(一度はサミットまで利用して増税延期をしています)、結局二度も消費税を増税させ、せっかくのデフレから脱却のタイミングを逃す結果となってしまいました。
そこまで、財政再建に拘る財務省が、しかもコロナ禍で財政が悪化した中で、今回の新NISAの優遇税制をOKしたのは何故なのでしょうか。確かに「貯蓄から投資へ」という政府の掛け声は以前からあるものの、長期政権で絶大な権力を持っていた安倍首相でも抗えなかった財務省を承認させたのは誰なのか、またどんな目的だったのでしょうか?
ここからはあくまでも私の推論でしかないので、フィクションとしてお読みいただけばと思います。財務省は国内では絶大な権力を持っています。当然、予算を牛耳っていることも大きいですが、何より税務署を傘下に持っていることも見逃せません。どんなにクリーンな会計を志している政治家であっても、それなりの権力を持つためには、いろいろと不明瞭なお金の出入りがあるのが政治の世界。一旦不正会計などでマスコミにリークされた暁には、政治生命の危機に直面してしまいます。そんなわけで、国内の政治力で今回の制度改革が進んだとはとても思えません。日本の財務省との関係で考えると、アメリカサイド(とはいっても様々な勢力がありますが)くらいしか考えられないですね。では何故、このタイミングでアメリカが日本の新NISAを推進する必要があったのでしょうか。
近年投資に関して気になることがあります。それは書店で並んでいる多くの書籍や、ネット上の投資に関する情報のほとんどがアメリカ株のETF(パッシブ投資)を推奨しているということです。ですから、このまま新NISAが始まると、大量の資金が日本からアメリカに流れることになります。
以前にも似たようなことがありました。「自民党をぶっ潰す!」と郵政民営化を唯一の公約に解散に突き進んだ小泉首相。彼としては郵便局(全国郵便局長会)を勢力圏にしていたライバルである経世会(旧竹下派)の力を削ぐ戦略だったわけですが、郵便局の傘下にある350兆円の資産の解放を狙っていたアメリカと利害が一致、アメリカの絶大な支援もあり郵政民営化を実現しました。今回も、2000兆円を超える日本の個人金融資産、特に1100兆円を超える現預金がターゲットであるのは間違いないでしょう。
既に何度かレポートでお話ししている通り、これからの長期でインフレが続く時代はアクティブ投資が優位な時代です。ましてアメリカは株もドルも割高であることを考えると、この策略に乗っての米株投資(しかもパッシブ)は最悪の選択であると思っています。日本の皆様が新NISAを使って健全な長期投資を行っていただけるよう祈るばかりです。
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