中東情勢で高まる不安、「恐怖と貪欲指数」で市場心理をやさしく読み解く

2026年03月16日

足元の株式市場は、原油価格が上昇し株価は下落するなど、落ち着かない動きが続いています。その背景にあるのが、中東イラン情勢の緊張の高まりです。

中東は世界の石油供給地域であるため、こうした地政学のニュースが出ると、原油の価格が上がりやすくなります。原油は、ガソリンや電気、物流などさまざまなところで使われているため、モノの値段が上がりやすくなり、価格が上がると消費意欲が抑えられたり、金利上昇につながるため企業の負担が増えやすくなったりします。

そのため、投資をしている人たちは「少し様子を見よう」「いったん安全な資産に移そう」「売っておこう」といった動きが出てきます。このように、リスクを避けようとする流れのことを「リスクオフ」と呼びます。

最近の株価の下げも、こうした流れの中で起きていると考えられます。

 

では、今の市場はどれくらい不安な状態なのでしょうか。

そのヒントになる一つが、CNN Businessが公表している「Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)」です。

少し難しそうな名前ですが、内容はシンプルで、「米国の株式市場で投資をしている人たちがどれくらい不安に感じているか、あるいは楽観的に見ているか」を7つの指標から計算し、数値で表したものです。0に近いほど不安が強く、100に近いほど楽観的な状態を示します。

下の図は、その「Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)」とS&P500(※)のチャートです。

(※)S&P500は、アメリカの代表的な企業500社の株価をもとに作られた指数で、「アメリカの株式市場全体の動き」を見るためによく使われています。

過去1年の動きを、上の「Fear & Greed Index」と下のS&P500のチャートを見比べてみてください。赤丸で示したように、指数が0〜10とかなり低い水準まで下がった場面では、同じ時期にS&P500が底打ち後上昇に転じており、「買い場」となっていることがわかります。

 

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

指数が0〜10というのは、多くの投資家が極端に不安を感じ、「これ以上に下がるかもしれない」と考えて株を売っている状態です。しかし、売る人が一通り売り終わると、これ以上は下がりにくくなります。

そこに、「前より少し安くなったから買ってみよう」と考える投資家が徐々に増えてくるため、株価は次第に持ち直していきます。

つまり、みんなが不安(悲観)になりすぎている局面は、見方を変えると「売りが出尽くし、これから上がりやすくなるタイミング」とも言えるのです。

 

一方で、現在は20ですので、不安がやや強まっている状態ではありますが、「みんなが一斉に弱気になっている(=売り一色)」とまでは言えません

つまり、まだ様子見をしている人も多く、市場の空気としては「慎重だけれど、完全に悲観しているわけではない」という段階だと考えられます。

宇野隆一郎
執筆者
宇野隆一郎
株式会社パリミキアセットマネジメント
チーフインベストメントオフィサー
1988年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、主に国際部門を中心に国内及び証券部門にて従事。1998年には当時のスイス富士銀行(スイス・チューリッヒ)に駐在し、プライベートバンキングや運用の奥深さを体現し、以来マーケットの魅力に取りつかれました。2004年にドイツ銀行のプライベートバンキング部門に転職。その後独立し、ファミリーオフィスの運用を担当。1か月の内、約半分近くを海外に出張し、年間約100以上の世界中のファンドマネージャーとミーティングを行っていました。その時に、多根さんと出会いました。2009年にシンガポールに拠点を移し、ファンドに限らずあらゆる金融商品の運用を行い、2017年に帰国後も個人投資家として相場・トレードの研究に勤しんでまいりました。相場で大切なことは大局観であり、ファンダメンタル同様、時間と価格の分析も行いながら大局観を把握し、それに見合った旬なファンドを常にアップデートしていきたいと考えております。

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