【ファミリーオフィスシリーズ 第3回】ロスチャイルド家に見る「情報と信頼のネットワーク戦略」

2026年01月20日

世界の富裕一族に学ぶ ファミリーオフィスの知恵
不確実な時代を生き抜くための資産防衛と継承の哲学

インフレや金利変動、地政学リスク、テクノロジーの急進化など、先行きが読めないこの時代に、いかにして資産を守り、次世代へつなぐか。
その答えを、何世代にもわたって富を守り続けてきた「ファミリーオフィス」の歴史から学ぶシリーズです。

第2回は原点・ロックフェラー家、第3回はヨーロッパ金融を支配したロスチャイルド家、そして最終回は現代の超富裕層による“新時代のファミリーオフィス”を取り上げます。

ロスチャイルド家に見る「情報と信頼のネットワーク戦略」

ロスチャイルド家は18世紀末、ドイツ・フランクフルトに端を発し、五人の息子をヨーロッパ主要都市に送り込むことで、多拠点型のファミリーが支配する銀行ネットワークを構築しました。

彼らの成功の核心は「リスクの分散と情報の集中」にあります。

各地の支店が独立して投資しつつも、意思決定は家族会議で共有し、国家・為替・信用リスクを一族全体で管理していました。
金と国債を中心に安定資産を持ちながら、産業革命期には鉄道や鉱山など実物資産にも投資を拡大しました。

また、政府・王室との信頼関係を築き上げ、機密性の高い情報網を形成したことは、現代の富裕層向け銀行(プライベートバンク)やスイスのファミリーオフィス文化にも直結しています。

「信頼」と「情報」という無形資産こそが、彼らの富を永続させた最大の理由といえます。

 

参考文献・出典
1. Ferguson, Niall. *The House of Rothschild: Money’s Prophets 1798–1848.* Penguin Press, 1998.
2. Britannica Online, “Rockefeller Family.”
3. Rockefeller Capital Management Official Website (rockco.com).
4. The Rothschild Archive, London.
5. Bill & Melinda Gates Foundation Official Report 2024.
6. Bloomberg, “Family Offices in the 21st Century,” 2024.
7. Bezos Earth Fund Official Statement, 2023.
渡邉格史
執筆者
渡邉格史
株式会社パリミキアセットマネジメント
取締役
国内銀行に16年間在籍し(その内半分は米国駐在)、その後、外資系のコンサルティングファームに16年間在籍。銀行員として養った金融知識とコンサルタントとして鍛えられた課題解決力で、少しでもパリミキアセットマネジメントのお客様のお役に立ちたいと考えております。

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