医療の世界のパラダイムシフト

2025年03月11日

先月の月次レポートでBRICS諸国のGDPがG7を超えたことについて報告しました。この変化は、今後様々な分野で価値観の大きな転換、いわゆるパラダイムシフトを引き起こすでしょう。私が特に注目しているのは医療分野です。これからは西洋医学一辺倒の時代から、世界の他の地域で古来から現在まで発展してきた多様な医療が、その本来の価値を正当に評価され、広く普及していく時代になるでしょう。

トランプ政権の新たな重要人物

最近、この変化を加速しそうな出来事がありました。連日世界の注目を集めているトランプ政権に、新たな重要人物が加わったのです。それがロバート・ケネディ・ジュニアです。彼はJ.F.ケネディ元大統領を伯父に持ち、父親のロバート・ケネディも有力な大統領候補でした。しかし、伯父は彼が9歳の時に、父親は14歳の時に、いずれも暗殺されています。
そうした環境の中、麻薬中毒に苦しむなど困難な青年期を経験しながらもそれを乗り越え、環境派の弁護士として活躍してきました。そんな彼が民主党を離れ、無所属で2024年の大統領選に立候補したのです。その彼にトランプが声をかけ、今年の2月13日にトランプ政権の厚生担当大臣として就任することになりました。

医療や食の体制が崩壊へ?

ただ、彼の長官就任にあたっては、与党の共和党やケネディ家からも反対意見が出るなど困難を極めます。なにしろ彼はコロナワクチン陰謀論の最先鋒であり、大手薬品メーカーや食品メーカーにも批判的な異端児だったからです。特に生活習慣病の増大や、健康被害に苦しむ国民の増加と、薬や食品との関係の問題を長年指摘して来ました。

彼の主張の科学的根拠はともかく、現在のような「会社は株主のものである」という偏った考えでは、企業は顧客である国民の健康よりも、利潤の最大化を優先してしまうこともあり得るでしょう。さらに、多額の献金で、アメリカ政府を思い通りに動かし、また最近話題になったUSAIDなどを通じて様々な国々で彼らの都合の良いルールを押しつけて来た(特に日本はその最大の被害者のひとつ?)のも事実でしょうから、この動きも今後大きく見直されることになるでしょう。さらにアメリカはWHOの最大の資金拠出国でありながら、トランプ政権はその脱退も宣言しており、WHOを頂点とした今の医療や食の体制の崩壊が始まっているともいえます。

西洋医学の限界

そもそも日本でも戦前の主な死亡原因は、外傷と感染症でした。西洋医学は元々戦場で生まれた医学ですから外傷の治療に優れており、また抗生物質は不治の病を魔法の様に治すことができました。その為、欧米の経済力の強さと相まって、圧倒的に西洋医学の優位性が信じられて来たのです。
しかし、現在病気といえば、癌や糖尿病など、いわゆる生活習慣病が多くを占める時代になって来ています。それに対して、西洋医学は症状を緩和するだけの対処療法が中心ですので、症状が緩和され、病気が良くなった気がしても、根本的な治療はなおざりのままになりがちです。そもそも熱が出たり、血圧が上がるという症状自体、体の免疫反応や元の体に戻そうとする反応の結果だったりするのですから。
さらに、生活習慣病は、個人の生活環境や体質など、個人差が大きいことが前提ですが、現在西洋医学は、大勢の人に共通する「エビデンス」をもとに研究が行われ、また個人よりも症状に合わせた処方をするため、人によっては有効な効果が生まれないことも考えられます。世の中に難病という治療できない病気が増えている事も、西洋医学の限界を表しているかもしれません。

多様化する医療の世界

これからは近代西洋医学に並んで、中医学(中国伝統医学)、漢方医学(日本の漢方)、韓医学(韓国伝統医学)などの東洋医学、インドのアーユルヴェーダ、かわったところでは旧ソ連で発達したエネルギー医学・波動医学などなど、今まで非科学的といわれた様々な医療が広く受け入れられる時代になるでしょう。これにより、より多くの人々が様々な病から救われることになると思います。我々にとっても大きな恩恵ですが、投資の方でも、この大きな変化は見逃せないですね。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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