「正解」は自分の中にある

2025年01月16日

絶対的基準が崩れ、正解が一つではなくなる時代へ

昨年は能登の地震に始まり、また世界中で選挙が行われ、政権与党がことごとく敗退するなど激震が走りました。アメリカでもトランプが圧勝し、日本では自公が過半数を割りました。またかつて圧倒的な影響力を誇ったテレビなどのマスメディアの力が衰え、ネットの力が実際の選挙結果に大きな影響を与えるほどになったのも象徴的な年でした。

コロナ禍以降、私たちは多くの「当たり前」が変化する様子を目にしてきましたが、その中でこれまで確固たるものと思われていた価値観が、新しい形へと進化してきています。例えば、幸せへの道筋として信じられてきた、良い成績、一流大学、大手企業という方程式。芸能界での成功の定番とされた、大手事務所への所属。そういった共通の価値観が崩壊し、今、一人一人の個性や才能に応じた、多様な可能性へと広がりつつあります。

絶対的な基準がある時代とは、誰もが目指すべき一つの「正解」がある時代でした。その限られた「正解」を目指して行われたのが「競争」で、「競争」は社会を前進させる大きな力となりました。しかし同時に、それは限られた勝者と多くの敗者を生む結果ももたらしてきました。そこから生まれるのは妬みや嫉みでもあります。その課題を顕著に示すのが今の韓国の例かもしれません。幼少期から続く激しい競争は、確かに高い達成を生む一方で、社会全体にとって新たな課題を投げかけています。

正解は一人ひとりの中に

今日、絶対的な基準が無くなるということは、むしろ新しい可能性が広がる時代の始まりとも言えます。「正解」は外にあるのではなく、一人ひとりの中に存在しているのです。企業においても、各社が独自の価値を見出せる時代です。既存の枠にとらわれず、自らの信念に基づいて行動できる個人や組織にとって、これは大きなチャンスの時代と言えるでしょう。一方で、明確な目標が見えにくくなることで戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。誰もが歩む「正解の道」が見えないことに不安を感じる方も多いことでしょう。では、どのように自分らしい道を見つけ、進んでいけばよいのでしょうか。

その答えのヒントを、大谷翔平という存在が教えてくれているように思います。彼がなぜ二刀流を実現し、さらにはホームランと走塁で50-50という前例のない偉業を成し遂げられたのか。プロスポーツという常に結果が求められる世界で、彼は単なる「競争」を超えた何かを見せてくれています。数字やランキングという明確な評価基準がある中で、彼は誰かと競うのではなく、むしろチームへの貢献という視点から自身の可能性を追求しているように見えます。今季も、投手としての活動が制限される中で、通常なら打撃成績の向上に専念するところを、チームのために走塁という新たな価値を追求し、結果として歴史的な記録を達成しました。彼が、個人としての「競争」よりもチームへの貢献を重視している証拠が、あの笑顔だと思います。その笑顔は、チームメイトに対する純粋な喜びと、自分の道を歩む充実感に満ちています。彼は、他者との比較ではなく、自分の中にある「正解」を追求する生き方を体現しているのです。

自分らしい「正解」を見つけるために

もし自分の道が見えづらい時は、周りの人々や社会に対して、自分にできる貢献は何かを考えてみるのも一つの方法かもしれません。どんなに些細なことでも、あなたにしかできない「正解」は必ずあるはずです。それは、誰かの真似をする必要も、誰かに認められる必要もありません。あなたの心が「これだ」と感じるものこそが、かけがえのない「正解」なのです。

この時代を「混沌として不安な時代」としてではなく、「可能性に満ちた自由な時代」として歩んでいくために、皆さんそれぞれの「正解」を見つけ、実現していってください。一人一人が自分らしい「正解」をみつけ輝くとき、私たちの社会はより豊かで、より希望に満ちたものになっていくことでしょう。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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