どうなる?トランプ2.0 -解放と自立の時代へ-

2024年12月10日

日米のマスコミの予想を大きく裏切って圧勝したトランプ大統領。しかも、今回はトランプに加え、あの異端児イーロン・マスクも大きな影響力を与える存在となりそうで、世界中がその就任を前に、戦々恐々としています。

 

 

インフレと通貨の行方

特に巷で問題視されているのが、インフレの再燃です。ようやく落ち着きを取り戻しつつあるアメリカのインフレですが、トランプは自らを「タリフマン」と名乗り、大幅な関税を課すことを公言。また減税や移民の強制送還などを実行した場合、物価の高騰を招き、金利の上昇からドル高へ・・・というのが現在の大方のコンセンサスのようです。しかし、政治と経済の世界では、予想が常に的中するわけではありません。

 

ウクライナ戦争終結の可能性と世界経済への影響

何が飛び出すかわからない印象のトランプですが、公約をちゃんと守るという、どこかの政治家に見習ってほしい真面目なところがあるのも事実です。「戦争を24時間以内に終わらせる」という主張は、一見突飛に聞こえますが、現実の地政学的状況を考えると、まったく現実性のない提案とも言い切れません。

ヨーロッパ各国は、スペインやイタリアなど南側の経済は比較的好調なものの、エースのドイツが空前の絶不調でマイナス成長に陥っています。ウクライナに対する支援への疲れや、批判が国民の間に広がっています。また、ロシアも兵隊不足から、北朝鮮兵士を頼ったり、高額の借金棒引きを餌に志願者を集めたりと、戦争の継続に四苦八苦の状況です。

アメリカにとっても、最大の懸念事項であったユーロによるエネルギー決済を、ヨーロッパとロシアを分断することで消滅させることができた(2023年2月9日のコラム「ウクライナ戦争の不都合な真実」参照)わけですから、継続するメリットは軍需産業を潤すくらいで、これも財政的に継続が難しい状況です。終戦となればインフレ圧力は収まりますし、さらに公約通り、世界最大の産油国のアメリカが大幅な増産に転じれば、エネルギー価格の低下に大きな貢献をしてくれそうです。これらを考慮すると、意外にもインフレは収まり、ドル安に向かうかもしれません。コンセンサスは間違うものなのです。

トランプ政権は日本が自立するチャンス

我が日本にとってはどうでしょうか。トランプの盟友、安倍さんの天敵であった石破総理にとっては脅威かもしれません。しかし、これまでアメリカは、危険なワクチンを認可させたり、農薬、添加物等々、自国で認めていない危険なものや、理不尽な要求を有無を言わさず日本に押し付けたりしてきました。そして、それに逆らう政治家は、抹殺されてきたのです。その意味では、ディールをしてくれるトランプは随分と真面目だと思いませんか。いろいろ要求されたとしても、日本が真にアメリカから自立するチャンスだと捉えることができます。

パックスアメリカーナの終焉

今回のトランプ政権の出現は、今までのアメリカの世界支配の構造を大きく変える切っ掛けになるでしょう。アメリカの基幹産業である軍需、製薬、食品、金融の企業群がアメリカ政治を支配し、強大な軍事力をバックに、ドル基軸を維持し、メディアをコントロールし、世界を彼らの思い通りに動かすという構造が揺らぎ始めているのです。「Make America great again」というのがトランプのキャッチフレーズですが、トランプの出現は、このアメリカの世界支配の構造を揺るがし、もしかしたら皮肉にも、パックスアメリカーナの時代の終わりを告げる大統領になるかもしれません。

「土の時代」から「風の時代」へ

奇しくも、占星術の世界では、2024年11月20日に冥王星が水瓶座の位置に入り、産業革命の時代から続いていた「土の時代」から248年ぶりに「風の時代」に本格的に移行するといわれています。「土の時代」は権力や伝統が重んじられる時代、そして「風の時代」は、個性やオリジナリティが尊重される時代になるそうです。水瓶座の冥王星は古い社会的価値観や既存のシステムを揺り動かし、新しい道を切り開く力を与えてくれるとされています。

この変化は、単に政治経済だけでなく、私たちの社会全体の価値観を再定義する可能性を秘めています。この新しい時代を、覚悟を持って歓迎したいものです。変化は常に不安を伴いますが、同時にチャンスでもあるのです。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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