真に「国民を守る」とは

2024年10月09日

先の自民党総裁選で勝利を収めた石破茂氏は、「五つの守る」——「ルールを守る」「日本を守る」「国民を守る」「地方を守る」「若者・女性の機会を守る」——をスローガンに掲げ、新内閣を発足させました。防衛庁長官経験者を3名も起用するなど、その布陣からは明確な安全保障重視の姿勢が読み取れます。

確かに、激動する国際情勢の中で、国防の強化や同盟国との連携強化は不可欠です。近隣諸国との緊張関係や、世界各地での紛争の増加を考えれば、これは当然の政策判断といえるでしょう。しかし、真に「国民を守る」という責務は、単なる軍事的な防衛にとどまりません。むしろ、より身近な国民の命健康と生活の安全を確保することこそが、政治の根本的な使命ではないでしょうか。

 

この文脈で近年、特に看過できない問題として浮上しているのが「レプリコンワクチン」をめぐる諸問題です。これは、コロナ禍で実用化されたmRNAワクチンの「次世代版」と謳われる新技術ですが、その導入プロセスには重大な疑問が投げかけられています。従来型のワクチンとは異なり、体内で自己増殖する特性を持つこの新技術は、医療界でも大きな議論を呼んでいます。

最も注目すべきは、この新型ワクチンが世界に先駆けて日本で認可された事実です。ご存知の通り、日本の医薬品認可制度は世界でも最も厳格な部類に入ります。新薬の承認には通常3年から7年もの期間を要し、膨大な臨床データの検証が必要とされます。そのため、通常、新薬は欧州での承認を皮切りに、米国を経て最後に日本で認可されるのが常道です。それにもかかわらず、開発国である米国や治験したベトナムでさえ認可していない製品が、なぜ日本で最初に承認されたのでしょうか。

さらに深刻なのは、「シェディング(伝播)」の可能性です。このワクチンの特徴である自己複製能力が、接種者から非接種者への意図せぬ伝播を引き起こすリスクが指摘されています。この懸念は既に社会的な軋轢を生み出しており、一部の飲食店では接種者の入店を制限する事態まで発生しています。特に、免疫機能が低下している方々や、基礎疾患をお持ちの方々にとって、この問題は深刻な不安要因となっているのです。

こうした状況を重く見た日本看護倫理学会は異例の緊急声明を発表し、慎重な対応を求めています。声明では、十分な治験期間の確保や、長期的な副作用の検証の必要性が指摘されており、医療現場からの切実な警告として受け止める必要があります。

 

結局、この10月からは65歳以上の高齢者等を対象とした定期接種も開始されてしまいましたが、こうした重要な政策決定のプロセスと根拠について、より詳細な説明が求められるべきではないでしょうか。また、特に気がかりなのは、このワクチン政策に関する情報公開の不足です。マスコミでのこのワクチンのリスクに関する報道はもちろん、この度多くのテーマを討議する機会のあったはずの自民党総裁選でも、まったく議論の対象にならなかったことは異様とさえ言えます。一般市民が適切な判断を下すために必要な情報が、十分に提供されているとは言えない状況なのです。

 

国民の生命と健康を守ることは、政治の最も基本的な責務です。次期選挙に向けて、私たち有権者は、表面的なスローガンではなく、真に国民を守り抜く意思と能力を持つ政治家を見極めていく必要があります。今こそ、私たちは「守る」という言葉の真の意味を問い直し、それを実現できる政治家を選ぶ賢明な判断が求められています。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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