人類とその他の生物との違いは何でしょうか。その一つが、生物が生きるために必要としている 「食べること」と「身を守ること」の苦難から解放されたことでしょう。それだけでなく、人類は、快適な気温や湿度を維持できる人工的な「空間」や、季節や自然の営みからかけ離れ、時計を軸とした人工的な「時間」の概念の中で生活するようになりました。また、近年は、簡単に食べることのできる調理済みの加工食品が一般化されたり、さらに、急速に普及したインターネットにより、非現実的なサイバー空間まで創造されたりするに至り、ますます自然から隔離された生活が日常化しつつあります。
このように、人類は人工的な環境で便利で快適かつ安全な生活を手に入れる一方で、次第に失いつつあるものがあります。それが、 本来生物が自然環境の中で「食べること」と「身を守ること」に格闘するなかで獲得し、維持発達させてきた「生きる力」と、その前提としての「感じる力」だと思います。 気が付けば、いろいろな情報の洪水におぼれながら、利己的に何が得かを「考えて」ばかりいる生活に驚かされます。「Don‘t think. feel!(考えるな、感じろ!)」はあのブルース・リーが映画「燃えよドラゴン」で言ったセリフとして有名ですが、当時と比べてもさらに自然を感じない中で生活している我々にとって、より重要性が増している言葉だと思います。
金融の世界でも、本当に数多くの投資家が様々な法則性を過去の相場から「考え」出し、未来の相場を予測しようと日々努力しています。確かに、春夏秋冬が毎年繰り返されるように、ある一定のサイクルが存在するのは事実でしょう。しかし、同じように再び春が訪れても、一年前とはあらゆる条件が異なっており、二度と同じ環境が再現されるわけではありません。いくら秀才でも、またAIを駆使したとしても、個々の自然や社会の全ての変数を処理し、未来を完全に予測することは不可能なのです。
そんな時に大事なのが「感じる力」だと思います。「大脳」だけでなく、世の中を観察し、声なき声に耳を傾け、鼻を利かせ、肌で空気を感じる等々、体全体で「感じる」こと…あまりにも様々な情報が溢れる今だからこそ、個々の情報に惑わされることなく、全体を「感じる」ことが大事なのだと思います。
「確かにそうだよね」と思われた皆さんに是非お読みいただきたい本があります。レイチェル・カーソンさんの名著「センス・オブ・ワンダー」(日本語版 上遠 恵子翻訳 新潮社)です。夏休みのひと時、子供たちと自然の中で過ごす大切さ、豊かさが表現されています。「暑い、暑い」夏も、自然と近づくかけがえのない機会に思えて来ます。写真とわずかなページですので、本はちょっと苦手という方でも問題ありません。
追伸、さらに本を読んで自然が恋しくなった方に、この夏おススメなのが「ペルセウス座流星群」です。今年は8月12日、13日が見ごろのようです。新型コロナの自粛生活やあまりの暑さに、せっかくの夏も出かけない日々が続きがちですが、夏の思い出作りに、ご家族で自然の中で夜空を眺めてみませんか? 伊豆のたねころ山でも観察会を開催しますので、ご希望の方はご連絡下さい。
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