潮目が変わる時

2018年02月05日

以下は1月27日と2月2日に開催された平山さんのセミナーの内容です

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2016年は、日米の白黒コンビ(黒田総裁とイエレン(白髪))のマエストロコンビが巧みに市場との対話を交わすことで、「永遠のゼロ」金利の日本と、アメリカの緩やかな出口戦略で、長期金利も安定。株価にとって都合の良い環境下で、世界の株価も大幅に上昇しました。それでは、今年はいったいどうなるのでしょうか?そんな年初にピッタリのタイミングで平山さんのセミナーが開催されました。

平山さんによると、今年は波乱の年になるそうです。その最大のリスクが2月3日からFRB議長に就任するパウエル氏。歴代の議長が、経済学のオーソリティであったのと異なり、彼は法律や政治のスペシャリストという異色の人材。カーター政権下のウイリアムミラー議長が、議会の意見に翻弄されながらインフレを悪化させたように、彼が市場よりもトランプ大統領の意向を反映し過ぎる可能性を危惧しています。

最悪のシナリオは、不動産王でもあるトランプ氏の意向に屈し、低金利への誘導を行うことでFRBへの信頼が失墜。その不信感から、中国を中心に所有する米ドル債を売却、その結果長期金利が高騰。それが、株安を生み、その事がさらに低金利政策の加速、FRBへの信頼の失墜を生むという負のスパイラルが起こる状況です。

日本においても金利が 上がらないだろうと言うのが大方のコンセンサスのようですが、本当にそうなのでしょうか。実は少し状況が変わりつつあります。まず、賃金上がっている。次に銀行の貸仕出しが慎重になリつつある。貸付先によっては金利アップも。さらに、原油価格の高騰によるコストアップなどです。平山さんは今まで嫌いだったあるメガバンクを今回初めてポートフォリオに組み入れたそうです。今まで注目されていなかったところに、むしろシフトすべき時期ということです。

実はクローバーとしてもっとも注目している数値がアメリカの10年債の金利ですが、今年に入って急激に上昇しています。なんと、過去10年の移動平均である2.541パーセントを大幅に超え2.8パーセントまで迫ってきました。かつてのITバブル崩壊、リーマンショックの前兆がそうであったように、そろそろ警戒ゾーンに入ってきたと判断しています。もっとも相場上昇の最終局面でけっこう株価の高騰が見られるのも事実ですので、しばらくはしっかりリターンを確保しながらも、年末に向けて徐々にキャッシュボジションを拡大する準備に入りたいと思います。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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