Follow the Money(お金の後を追いかけろ)

2021年10月11日

坂本竜馬.jpg自民党総裁選挙が終わりました。「誰がなっても同じ」とか「疑似政権交代」という冷めた声があった一方で、女性候補が二人も出たことや岸田派以外の派閥が統一の支持者を出さなかったせいか、具体的な政策論争がマスコミやネットで繰り返されたこと、そして何よりも日本を取り巻く環境が激変している危機感から、私としても珍しくしっかりと彼らの発言をフォローさせていただきました。

そんな中で気づいたのですが、マスコミとネットでの論調がまったく異なっていたことです。これは今回始まったことではなく、コロナの扱いでも顕著でした。家庭内でもコロナへの対応や、ワクチン接種をめぐって夫婦や親子間で論争になったご家庭も少なくなかったのではないでしょうか。今回はマスコミが河野さんに好意的な報道する一方で、ネット上では高市さんを支持する論調が多かった気がします。先のアメリカの大統領選でもそうでしたが、マスコミが左寄り、ネットが右寄りという点が共通でしょうか。基本的にはマスコミに就職する人間は「権力者は必ず悪いことをするのでそれらを暴いてやろう」という人間がほとんどでしょうから、いくつかの独裁国家を除いて、体制に対して批判的になるのは当然といえるでしょう。また、ベースとしてあまりにも忙しい(ほぼ毎日のようにアウトプットが求められる)ので、しっかりとした裏付け取材をする時間がないのも問題ですね。また、「今日は一日平和で良い人ばかりでした」では視聴率が取れないので、「大変だ!大変だ!」と大げさに危機を煽るのは、古今東西報道機関の性だと思います。クローバーのお客様で、元地方局のアナウンサーをされていた方も「人の不幸は蜜の味」とおっしゃっていました。これ以外にも、民放ではスポンサー企業による影響も回避できないでしょう。

マスコミは影響力が絶大なだけに、本来ならばこのような欠点があることを自覚し、一方的な意見を押し付けるのではなく、対峙する意見も報道して、視聴者が正確な判断を出来るための材料を提供してほしいのですがなかなか難しそうですね。幸い、近年ネットの普及のお陰で、様々な情報や考え方にアクセスできるようになったのはとてもいいことだと思います。ただそこで問題になるのが、玉石混合ともいえる情報の中から、何が真実かを見極めることです。マスコミもネットも「フェイクニュース」で溢れていますから、そこから数少ない真実を見つけ出すのは容易ではありません。

そこでご紹介したいのが、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授・西鋭夫の「Follow the Money(お金の後を追いかけろ)」という視点です。彼が例に出すのは、幕末の英雄坂本龍馬。司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」では日本を開国に導いた英雄ですが、その中では一切お金の話は出てきません。西氏は言います、「海援隊の多くの男たちを養うお金、今の価値で50億円とも言われる大量の武器を買うお金、軍艦を買うお金、全国各地に出張するお金は、一体、誰が何の目的でこれらの大金を出したのか?」実は、その頃のイギリスはアヘン戦争で巨額の利権や富を得る一方、多くの兵士も失いました。そこで考え出したのが現地でテロリストを養成、彼らに大量の武器を供給し、内乱をおこさせるという策略です。龍馬ファンにはトンデモない話ですが、お金の面から時代を考察すると別の世界が見えてきます。

最近話題になっている環境対策、コロナ対策、これ以外にも医療、金融、教育等々の様々な分野でも、表面は「清く、正しく、美しい物語」が世間で語られ、多くの人がそれを信用しています。そして、不思議なことにほとんどの人がお金の動きに無関心なのです。環境対策の予算とそのお金の流れ、コロナ対策の費用とそのお金の流れ等々。お金というのは実際の世の中の流れを見るのにも役立つというのは面白いですね。真実はそこにあり、正しい情報がどれなのかも見えてくる。Follow the Money、是非お試しください。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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