「お金は汚い?」という無意識のブレーキ――日本人の美徳を資産形成にも活かす

2026年02月24日

日本人の美徳が生んだ、見えないブレーキ

日本では今も、「お金の話はどこか下品」「儲け話は慎みたい」という空気が根強く残っています。

子どもの前でお金の話をしない、利益を強調しない、豊かさを語ることに照れがある。

こうした感覚は、日本人の奥深い美徳から生まれたものです。謙虚さ、分かち合い、強欲を戒める心。そのどれもが、日本社会の品格を形づくってきました。

しかしこの「美徳」が、無意識のうちに資産形成への強いブレーキとして働いてきた面も否定できません。その結果、多くの人が「働いて稼ぐこと」には真剣でも、「お金をどう育て、どう守るか」については、十分に学ぶ機会を持てないまま大人になってきました。

 

タルムードのお金に対する姿勢

一方、タルムードはまったく逆の姿勢を取ります。お金の話を避けることはなく、むしろ徹底的に議論します。どうすれば公正か、どうすれば騙さずに済むか、どうすれば社会を豊かにできるかなど。

タルムードにおいてお金は、決して汚いものではありません。

ただし、「使い方を誤れば危険な力を持つもの」として、極めて厳しい倫理をもとに扱われています。

ここで、日本的価値観とタルムード的価値観は、実は同じ方向を向いていることが見えてきます。どちらも、「強欲を戒めよ」「独り占めするな」「人の役に立て」というメッセージを共有しているのです。

違いがあるとすれば、日本はマナーや礼儀などの“感覚的に制御する”文化であり、タルムードは“理屈と制度で制御する”文化だという点でしょう。

 

お金を恐れず、支配されない――成熟した資産との向き合い方

日本人的タルムード資産形成とは、「お金について語る後ろめたさから解放する」ことでもあります。家族を守るために、次世代を育てるために、社会を少しでも良くするために、お金の話をする。そこに、恥じる理由は本来ありません。

日本人が大切にしてきた清らかさと、タルムードが築き上げた金融倫理。この二つが重なったとき、「お金は汚いもの」でも「絶対の正義」でもない、「未来への責任を伴う力」としての希望ある姿が見えてきませんか。

それは、恐れるものではなく、正しく扱うべき“道具”なのです。

 

お金から目を背けない。
しかし、お金の奴隷にもならない。
これこそが、日本人の美徳とタルムードからの教えが導く、成熟した資産との向き合い方なのだと思います。

 

【次回予告】

第5回:「富の最終目的」――次世代と社会へのバトン、そしてファミリーオフィスという思想

渡邉格史
執筆者
渡邉格史
株式会社パリミキアセットマネジメント
取締役
国内銀行に16年間在籍し(その内半分は米国駐在)、その後、外資系のコンサルティングファームに16年間在籍。銀行員として養った金融知識とコンサルタントとして鍛えられた課題解決力で、少しでもパリミキアセットマネジメントのお客様のお役に立ちたいと考えております。

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