昨年(20231229_ainori_monthly.pdf.pdf (pmam.co.jp))に続き、今年の見通しを予想してみたいと思います。尚、あくまでも現状のメインシナリオですので、今後発生する事象により随時見方を変更していきますし、ファンドの運用に直接影響を及ぼすものではないことをご認識いただければと思います。
結論をまとめると以下の通りです。
・S&P500(米国): 6,900p (2024年末終値比 +17%)
・日経平均(日本): 45,000円 (同 +13%)
※但し、両指数共、年間で高値から▲10~15%の下落局面を想定。
■米国株(S&P500)の根拠
① 企業業績はアナリストの予想EPS(1株当りの利益)では、ボトムアップ方式で15%の上昇が見込まれていること。
② 雇用や個人消費など、現状の経済は底堅く、不況になる数値が見られないこと。
③ 景気後退の兆候があったとしても、FRBは十分対応出来る政策金利水準にあること。
④ 通貨供給量(M2)が増加していること(即ち、お金がじゃぶじゃぶの状態にある)。
⑤ トランプ政策の内、減税・規制緩和・政府支出の見直しなどが行われる予定であり、その上早期に施行される可能性が高いこと。
⑥ 生成AIをはじめとするテクノロジーの改革・進展が未だ道半ばであること。
⑦ MMF(株式を購入出来る待機資金)が7兆ドルまで拡大していること。
一方、リスクとしては、以下の点が挙げられます。
●インフレや財政悪化懸念などの要因で米長期金利が更に上昇し、FRBが政策金利の引き上げを余儀なくされること
● 関税強化によるインフレ再燃、経済悪化
● トランプ政策の支出削減が進まず、連邦債務増加とその支払い利息の増加
● 大手金融機関の2025年末 S&P500の目標値が平均6600p(+10%)程度と、楽観的になっていること、などです。
現状の米国株は、PER(株価収益倍率)が、2024年EPSで24倍、2025年予想EPSで22倍と歴史的に見ても割高な水準にあり、殆どの市場参加者が既に認識し、最も懸念している材料となっています。
この割高感については、確かに過去の大きな暴落があった時の直前のPERと同水準かそれを超える水準になっているものの、現在のS&P500の35%は「マグニフィセント7」といわれる大型テック銘柄(12ヶ月先EPSから計算される加重平均PERは39倍)が占めており、この7銘柄を除く493銘柄の平均PERは10倍台後半であり高い水準ではないこと、また、この7銘柄は実質無借金会社が殆どであるため、金利上昇には影響が殆どないです。(但し、流石に金利が5%、6%へと上昇するとそれ以外の493銘柄や米国経済に与える影響は大きくなります。)
即ち、株式は単に割高だからといって即暴落に繋がるわけではなく、暴落するには高い株価を織り込んでいる前提条件が否定される理由が必要になります。この1年では決定的な事象が出てこないのでは、というのがこの予測の前提です。
■日本株(日経平均)の根拠
① 長期金利が1.1%台で推移している中、株式の益利回りが6%を超えており、株価水準が割安であること。(一方、米国については、長期金利と株式益利回りがほぼ同水準)
② インフレが定着してきており、名目GDPが上昇していること。
③ 賃金の上昇が進んできており、今年は実質賃金がプラスになると想定されること。
④ 世界を見渡しても、日本は実質金利がマイナスである数少ない国であること。
⑤ 個人の現預金1100兆円が動き始め、毎月約1兆円以上が投信などを通じてマーケットに流れてきていること。
⑥ GPIFの運用利回り引き上げにより、日本株比率が引き上げられる可能性(4月以降)があること、などです。
現状の日本株の上値が抑えられているのは、政治的な要因が大きいと考えており、また今は、長い間続いた日本の政治体制の変革期にあると見ております。今後政治の安定と日本の潜在価値が上昇するような政策が出されれば、米国株などの外的環境の悪化がない限り、上昇余地は十分あると考えます。
尚、年間を通じて、高値から▲10~15%の調整を想定しておりますが、これは米国株が割高な水準にあるためマイナスの材料には反応しやすいことや、平均年1回10%の下落、2年に1回の割合で15%の下落が起こることが過去のパターンとなっているところ、昨年は10%の下落が1回もなかった(昨年は最大で▲9.7%)ことから、今年は少し大きい調整が年央以降にある可能性があるのではと考えている次第です。
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