私は二十代のはじめに台湾から日本に来て、すでに日本での生活の方が長くなりました。
日本に来た当初は「ありがとう」しか日本語を知りませんでしたが、憧れの日本で生活をするため一生懸命勉強し、どうやったら生活を豊かにできるだろうか、どうやったらお金を稼ぐことができるだろうかと考えていました。そんな中で台湾人の大先輩である邱永漢さんの本に出会い「投資」ということを知り、「とりあえず100万円貯めてみなさい」の言葉に従い100万円を貯めることを目標にしました。一つの目的、目標を定めることができると、お金を使いたいという欲望をある程度抑えられるようになり、くだらないものにお金を使わなくなり、お金も大事に扱うようになりました。こうして繰り返し実行していくうちに、特別難しい作業をやっているわけでなく、入ってくるお金に対して出ていくお金の量を少なくしているだけで、100万円を貯めることが出来ました。
しかし、収支を調節してお金を貯めてもまだまだ「豊か」という生活とはほど遠く、ためたお金で株投資などをやってみましたが、多少のプラスが出ても次の瞬間には大損をすることもあり、なかなかうまくいかないものだなと感じました。
そして、お金を働かせることの難しさを知る中で、アインシュタインによる人類最大の発明である複利を生かす方法について、様々なセミナーを通して学び、投資信託という長期投資と出会いました。
その後、投資セミナー仲間の紹介で、クローバーアセットの長期投資を推奨していただき、とにかく一定の金額を毎月投資することで、お金を増やしていけるかにトライしました。そして、年を重ねるごとに毎月投じた資金により、長期投資に関する複利の良さを実感することができるようになりました。いま考えると、あれこれ考えて下手に自己判断で売り買いせず、ひとつのことをコツコツと実行していけば、お金を貯めることだけでなく、時間が経過するにつれ、リターンは大きくなり、金額は雪だるま式に増えていくのだということをあらためて認識しました。
私のように、普通のサラリーマンでも少額投資を通じ、資産形成に寄与できるのが、長期投資の良さだと実感しています。
執筆者:羅 勛魁