「ファンド・オブ・ファンズ」って知ってますか?
2025年10月24日
「ファンド・オブ・ファンズ(Fund of Funds)」、略して“FoFs(エフオーエフ)”。
ちょっと舌を噛みそうな名前ですが、実はこれ、投資の世界ではとても合理的な仕組みなんです。
通常の投資信託は“株や債券などに直接投資”しますが、ファンド・オブ・ファンズは“他の投資信託に投資するファンド”。つまり、「優秀な料理人(運用者)」が作った“料理(投資信託)”を、さらに“料理長(FoFs運用者)”が組み合わせて「おまかせコース」に仕立てるようなイメージです。
一見遠回りのようですが、実はこの「二重構造」が、不確実な時代ほど真価を発揮します。
なぜなら、ひとつのファンドや市場に頼らず、複数の投資先・運用者・資産クラスを束ねることで、リスクの偏りを抑えられるからです。
実例で見る「分散の力」:パリミキアセットマネジメント コドモファンド
手前味噌ではありますが、たとえば、パリミキアセットマネジメントが運用する 「コドモファンド」。
これはマザーファンドを通じて、世界中の優良ファンド15ファンド(2025年9月末現在)に分散投資をしているファンド・オブ・ファンズ型の商品です。(https://pmam.co.jp/codomo/)
このファンドの実績を見ると、まだ記憶に新しい、トランプショック(2025年4月8日)時にS&P500が▲18.5%だったのに対して、コドモファンドは▲8.5%のマイナスにとどまっており、その後の回復基調も、2025年2月末を基準とした場合、S&P500を上回っています。

もちろん、すべてのFoFsがこのように成功するとは限りませんが、少なくとも「単なる平均的なファンドの寄せ集め」ではなく、優れた運用者を組み合わせ、マーケットの変化によって比率を調整することで、安定性と成長性の両立が可能であることを示しています。
投資初心者でもわかる「強さの理由」
「なぜ、そんなに安定しているの?」という疑問に対する答えは、意外とシンプルです。
① いくつものファンドを組み合わせることで、好不調をならす
たとえばAファンドが不調でも、BやCが支える。チーム戦のような構造。
② 運用者の“当たり外れ”リスクを軽減
ひとりの運用者に賭けるのではなく、複数のプロの知見を束ねることで、“外したときの痛手”を小さくできる。
③ 株以外にも投資できる柔軟さ
FoFsの多くは、株だけでなく債券、REIT(不動産)、オルタナティブ資産なども組み入れ可能。たとえば株価が下がっても、債券やインフラ関連が支える仕組みを作れる。
メリットと注意点を整理
メリット
・リスク分散が効きやすく、下落相場での耐性がある
・複数のプロの知見を一つのファンドで享受できる
・それぞれのファンドが状況に応じて柔軟にポートフォリオを見直すため、全体として時代や市場の変化に強い仕組みになっている
デメリット
・信託報酬などのコストが少し高め(「二重構造」のため)
・ファンドの中身がやや見えにくい
・好調相場では分散しすぎてリターンが平均化しやすい
ただし、これらは「保険料」と考えれば納得できる範囲です。いざという時に“暴落を最小限に抑える”という安心感こそ、FoFsの最大の価値なのです。
また、通常運用実績は信託報酬を差し引いた後の数字が示されるため、信託報酬の大小で選ぶのではなく、単純に運用実績の高低で見た方がシンプルで合理的と言えます。
まとめ:どんな相場でも折れにくく、しなやかに
事例としてもお見せしたましたが、トランプショックやコロナショックを振り返ると、世界株インデックスが一時的に大幅に落ち込んだ中で、分散度の高いFoFs型ファンドは下落率が約半分にとどまった事例もあります。
暴落を「避ける」ことはできなくても、「和らげる」ことはできる——これがFoFsの真価です。
先の見えない時代ほど、ひとつの資産や国、市場に依存しない柔軟な構造が重要です。
ファンド・オブ・ファンズはまさに、“広く・しなやかに・着実に”投資を続けるための頼れる仕組み。これから投資を始める方にこそ、知っておいてほしい考え方です。
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