(続)今後の相場見通し

2024年10月04日

今年もあと残り3か月となりました。9ヵ月経ちましたので今回は、年初に掲げた相場の見通し(https://pmam.co.jp/assets/2024/01/20231229_ainori_monthly.pdf.pdf)からの途中経過と、これから2025 年を迎えるにあたってどのような方向で見ているかの根拠をお伝えできればと思います。

結論をまとめますと以下の通りです。

① 年初掲げた目標値及びその根拠となる事象は、方向性として大方想定通り。

② ファンダメンタル的には今後ソフトランディング実現の可能性が高まり、少なくとも2025年前半頃までは株式市場にとっては良い環境が続くことがメインシナリオ。

③ ただし、現状の株式の割安感はなく、引き続き雇用などの経済指標や価格を注視していくことが重要と考えます。

 

1.年初時点の2024年末の予測値

(1) 年初に示した予測値と9月末の終値は以下の通り、S&P500は当初16%の上昇を見込んでいたところ既に年初から21%上昇し、日経平均は18%の上昇を見込んでいたところ現状+13%のところにあります。

(2) S&P500の上昇率が予想を超えていますが、主に年初からAIブームが起こったこと、また企業業績が当初予想されていた以上に上振れしたことと考えています。
(3) 日経平均は、9月末こそ38,000円を切っていますが、7月時点では42,000円を一時期上回るなど示現していました。採用銘柄の1株当り利益が2,500円近辺の最高値まで伸びてきており、再度42,000円を超えていくことは可能と考えています。

 

 

2.各相場見通しの根拠と現状

同見通しで述べた、2024年に日米株式の強気スタンスであった根拠をまとめた表です。

 

(1)今後株式が引き続き上昇が期待できる要素としては、②企業業績が2025年に加速すること、③インフレが鎮静化に向かっていること、④利下げサイクルとなり、株式には非常に良い環境となっている認識です。

(2)一方、今後注視すべきは、①雇用をはじめ景気動向、⑤アナリストが強気になり過ぎていないか、⑥大統領選で政権交代が起きないか、⑦AIブームが終わらないか、ということになり、今年のEPSが24倍(’25年EPSでは21倍)と割安な水準でない為、経済状況の変化には迅速に対応すべきと考えます。

(3)尚、日本については、デフレ経済の脱却を掲げているものの、未だ完全に脱却しておらず、現状の日経平均は、米国株式とドル円の動向次第の相場になっており、日本独自の成長戦略、需給ギャップのプラス化、構造改革が望まれます。

 

長期的なリスクとして、米国政府・消費者の負債、米不動産とそのファイナンス、地政学的リスクを懸念していますが、これらは別の機会にご報告出来ればと思います。

宇野隆一郎
執筆者
宇野隆一郎
株式会社パリミキアセットマネジメント
ファンドマネージャー
1988年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、主に国際部門を中心に国内及び証券部門にて従事。1998年には当時のスイス富士銀行(スイス・チューリッヒ)に駐在し、プライベートバンキングや運用の奥深さを体現し、以来マーケットの魅力に取りつかれました。2004年にドイツ銀行のプライベートバンキング部門に転職。その後独立し、ファミリーオフィスの運用を担当。1か月の内、約半分近くを海外に出張し、年間約100以上の世界中のファンドマネージャーとミーティングを行っていました。その時に、多根さんと出会いました。2009年にシンガポールに拠点を移し、ファンドに限らずあらゆる金融商品の運用を行い、2017年に帰国後も個人投資家として相場・トレードの研究に勤しんでまいりました。相場で大切なことは大局観であり、ファンダメンタル同様、時間と価格の分析も行いながら大局観を把握し、それに見合った旬なファンドを常にアップデートしていきたいと考えております。

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