地球温暖化の真実

2025年09月09日

「地球がどんどん暑くなる!」

――まさにこの夏はそれを確信させるような暑さでしたね。

しかし、物事は一面から見て断定してしまうと、その奥にある本質を見失いかねません。

科学とは、常に多面的でなければならないのですが、何が「真実」であるかは、視点、特に時間軸の置き方次第で大きく変わってきてしまいます。

 

たしかに、近年の観測データを見る限り、地球の平均気温が緩やかに上昇していることは否定できない事実です。

ですが、それをもって「地球が異常になっている」と即断するのは早計かもしれません。

地球は46億年という悠久の時の中で、寒冷と温暖の周期を繰り返してきました。

現代の温暖化もまた、その大きな変動の一場面にすぎないのかもしれないのです。

 

CO2は悪者か?

この温暖化の「原因」とされているのがCO₂です。

現在、世界中のメディアや政策がこの物質を「地球の敵」のように扱っていますね。

でも、本当にそうなのでしょうか。

CO₂こそは、植物の光合成に不可欠なものであり、また生物の組成に不可欠な炭素を供給してくれており、それなしには地球上の生物は存在できません。

 

太古の地球は、大気の約90%がCO₂でした。

そこから徐々にCO₂が減少し、酸素が増え、生物の多様な進化が可能になりました。

しかし、現在その濃度をご存知ですか?

なんと0.004%!

地球の歴史で見ると、ほぼゼロに近く、生物にとって危険水域でもあるのです。

問題なのは、CO₂の「存在」ではなく、「増加のスピード」かもしれません。

産業革命以降、人類が化石燃料を燃やし続けた結果、大気中のCO₂濃度は急激に増加しました。

それが気温の上昇と関係しているとされていますが、その因果関係にはまだ未解明の部分も多いのです。

太陽活動や海流の変化など、自然のメカニズムも温暖化に大きな影響を与えている可能性は十分にあるのです。

 

グリーンビジネスの本質

ここで、我々はさらに一歩踏み込んで考えねばなりません。

それは、「温暖化の対策」とされる技術や政策が、本当に科学的根拠に基づいているのかということです。

たとえば電気自動車(EV)は、走行時にCO₂を出しませんが、バッテリーの製造過程では多くのエネルギーを消費し、場合によっては化石燃料よりも環境負荷が高くなることすらあります。

また、太陽光パネルや風力発電機も、設置・廃棄に伴う環境影響を無視することはできません。

 

それにもかかわらず、なぜ今、これほどまでにEVや再生エネルギーが「正義」とされるのでしょうか。

その背景には、環境問題を利用した新たな経済戦略、すなわち「グリーンビジネス」の台頭があります。

先月の月次でご紹介したように、ヨーロッパの自動車産業は、トヨタのハイブリッド技術に遅れをとり、その対策として、クリーンディーゼルを打ち出し、やがて排ガス不正が明るみに出ると、今度はEVへの急転換を図りました。

 

このような流れを見ると、「環境対策」は単なる技術革新ではなく、経済競争の一手段として利用されている側面が浮かび上がってきます。

我々は単にマスコミの情報に翻弄されるのではなく、

「温暖化は現実か」
「原因はCO₂なのか」
「解決策はEVや再生エネルギーなのか」

という「現象」「原因」「解決方法」の3つの問いを、個別に、そして冷静に検証しなければなりません。

すべてを一本の「正義のストーリー」にまとめてしまえば、そこに生じる矛盾や歪みを見過ごすことになりかねないのです。

 

目先の儲けだけで投資判断するのではなく、この地球に生きる者として、真実を見つめ、物事を多面的に考えることも、これからの投資家に求められる大事な姿勢だと思います。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキホールディングス
代表取締役会長
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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